12/11 起業工学を実践し、後身に伝えています 當金一郎
私は2002年10月に高知工科大学大学院に入学、加納先生から起業工学について学び、2005年9月に the Degree of Doctor of Philosophy in Entrepreneur Engineering を取得しました。
入学のきっかけは当時勤めていた大学でベンチャー教育の担当となり、より深くentrepreneurship について学ぼうと思ったことでしたが、加納先生から「価値創造」の重要性と、その過程における「技術の擾乱を引き起こす個の存在」を伝えられ、身震いするほど感動したのを良く覚えております。
卒業して既に十年以上の歳月が経ちましたが、近年の人工知能を始めとする諸技術によって経済が発展している状況を見るにつけ、加納先生の教えの正しさを実感しております。
きっかけとなったベンチャー教育の授業は現在も続けており、「ベンチャービジネス論」と「技術と経営」のタイトルで各々半期づつ、数十名の学生に対して講義しておりますが、その学生の中から「簡易型濾過装置による訪問型資源リサイクルサービス」のビジネスなど、実際に起業を実践する者も輩出することができました。
私自身も現在「ドローン技術の開発とそれを用いたビジネス」に関わっており、加納先生から受けた薫陶を実践すべく活動をしております。現在話題になっているドローンは、まだ重量の軽いものしか運べず、また見える範囲でしかコントロールができない等、本格的に運用するにはまだまだ多くの課題を抱えております。この課題をどのように解決しつつ、災害救助あるいは物資運搬といったサービスビジネスに繋げていくか、私を含めた数名のスタッフで奮闘を続けています。現在の悩みは墜落による事故を防ぐ意図から、ドローンを実際に飛ばせる場所が非常に限定されていることで、特区になっている地域の企業とコラボレーションができないか模索しております。
今後も起業工学の理念を後身に伝えていくと共に、自分自身もその理念を体現すべくチャレンジを続けていきたいと考えております。