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12/20 吾妻正道さんから嬉しいニュースが届きました!パナソニックグループから第65回電気科学技術奨励賞を2件受賞、1件は最高位の「文部科学大臣賞」

https://www.panasonic.com/jp/corporate/technology-design/award/list/2017/65th_ohm.html

第65回電気科学技術奨励賞を2件受賞、1件は最高位の「文部科学大臣賞」

2017年11月27日、第65回電気科学技術奨励賞(旧オーム技術賞)が決定し、パナソニックグループから2件が選ばれ、1件が最高位の「文部科学大臣賞」を受賞しました。

同賞は、電気科学技術に関する発明、改良、研究、教育などで優れた業績を挙げ、日本の諸産業の発展および国民生活の向上に寄与し、今後も引き続き顕著な成果の期待できる人に対し、公益財団法人 電気科学技術奨励会より贈呈されるものです。

今回の当社の受賞者と業績は以下のとおりです。

受賞式

受賞式

文部科学大臣賞及び電気科学技術奨励賞

『FeRAM内蔵非接触ICカード量産化に貢献した強誘電体メモリの開発と実用化』

受賞者

三河 巧:パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社 主幹技師
吾妻 正道:パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社 主幹
長野 能久:パナソニック・タワージャズセミコンダクター株式会社 社長

左から吾妻、三河、長野

左から吾妻、三河、長野

開発の背景

現在、交通系ICカードは、1枚で異なる路線の電車やバスの乗り継ぎや、電子マネーとしてお店での買物に利用できる利便性から、国内の交通機関の多くで普及しています。交通系ICカードでは、①非接触、電磁誘導で起電可能な低消費電力性、②ラッシュ時にも認証、読み書きを瞬時に行う高速処理、そして③高いセキュリティが求められました。私たちは、交通系ICカードの内部データ保持用メモリとして、低消費電力、高速のデータ読み書き、高いセキュリティといった特徴を有する強誘電体メモリFeRAM(Ferro-electric Random Access Memory)を開発しました。

開発技術の概要

強誘電体メモリの開発においては、以下に示す強誘電体材料、半導体製造プロセス、水素バリア技術という3つの技術的ブレークスルーが大きく貢献しました。

(1)常誘電体をあえて強誘電体に混合した超格子構造(図1)とすることで、メモリとしての信頼性を大幅に向上した強誘電体材料技術

(2)配線下層を形成するTiが強誘電体キャパシタに拡散して、特性が劣化することを解明し、強誘電体材料を半導体に集積することを可能とした製造プロセス技術

(3)酸化物である強誘電体が水素で還元される本質的な課題を、有効なバリア材料を見出し、素子の上下左右を完全に被覆する構造で克服した水素バリア技術

図1 超格子結晶構造の強誘電体材料

図1 超格子結晶構造の強誘電体材料