4/30 「起業工学」設立20周年に寄せて 刈谷政宣
加納先生に初めてお会いして早20年になるのですね。一介の液晶プロセス技術者だった私にとって、自分の夢や野心の実現に向けてまっしぐらに駆け抜けて行くアントレプレナー達の生き方は大変な驚きでありました。起業家コースを卒業して2年後に、それまで勤めていたソニーを退社し、バイオベンチャー企業を立ち上げました。海洋深層水を使用してスジアオノリという海を陸上で通年生産しようとするものでした。
事業計画の作成、技術シードを有する大学との協業、株主との調整、資金繰り、会計、税務処理、労務管理など、起業家コースで学んだ事が大変役に立ちました。海外（台湾）への技術移転や香港（中国）への関連企業の設立では、先生に現地まで直接お越し頂いてご指導頂き大変ありがとうございました。ただ残念だったのは「出口戦略」に甘さが有ったこと。ゼロから初めて苦節8年、資金需要が増す成長軌道段階で事業撤退する事になりました。零細な個人株主からの脱皮が必要だったのですが、当時の私はまだまだ起業家には成りきれていなかったように思います。
今私は新しい職場で新規事業の立上げを担当し、半導体用シリコンウェ-ハの開発を行っています。
新たな機能を付加することで価値を高めて、大手の参入できないニッチ市場でのトップを狙っています。あと数年もすれば次世代（部下）にバトンタッチできるでしょう。その後はまた、自分の夢の実現に向けてアントレプレナーの仲間入りをさせてもらう予定です。
加納先生に負けないよう、そして少しでも恩返しができるよう、まだまだこれから頑張って行きます！
2018.4.30 刈谷 宣政
